CarnaEstがめざすこと

農業従事者の高齢化や後継者不足、労働環境の改善など、日本の農業は今、さまざまな課題を抱えています。そのような課題の数々を解決するために必要なことは何でしょうか？ その答えは農業のイメージをもっと向上し、一般の人たちにもっと興味を持ってもらうことだと考えています。

農家の子どもとして生まれた私は、幼いころから泥だらけになって働く両親の姿を見てきました。収穫の時期は年中続くため、家族旅行や外食に行く機会もほとんどなく、嫌で仕方なかったこともありました。私もまた、農業に対して良いイメージを持てなかった一人だったのです。

大人になってからもそれは変わらず、農業とは別の世界で働いていた時期もありました。しかし、帰省するたびに家の周りの農地が少なくなっていく現状を目の当たりにして、この地で受け継がれてきた農業が消えてしまうような言いしれない寂しさを感じたのです。この土地の農業を未来につなぎたい−−−−そう強く思い、農業生産法人CarnaEstの設立を決意しました。

農業の現状を打破するために必要だと思ったのは「農業＝生産」という一面的な捉え方ではなく、より多角的な視点です。
つまり、生産・加工・サービスを一続きのものとして行う六次産業をビジネスとして確立させることでした。具体的には、自家農園野菜を使ったレストラン経営や、地域の特産物を生かした加工品ビジネスの展開。現在は地域に根ざしたワイナリー作りにも取り組んでいます。そのようなことを通じて今までのイメージを突き破り、「農業ってそんなことができたんだ！」と多くの人に新しい可能性を感じてもらいたいのです。

農業に対するそんな「素敵」なイメージが生まれれば、きっと新しい何かが生まれる。私はそう強く信じています。そのためにCarnaEstは、都市の中にある農園だからこそできる可能性を常に探求し、みなさんの生活をより素敵に、豊かにすることを目指します。

農業生産法人 CarnaEst　代表取締役 山田貢

CarnaEstがめざすビジョンは「都市の中のアグリデザイン」。そこには、都会の中で暮らしているとなかなか実感できない「実りの喜び」を、多くの人に感じてもらいたいという想いが込められています。

私たちの生活に身近なものとして農業や自然に触れることができれば、今より少しだけ心が豊かになるかもしれません。私も農業と真剣に向き合い始めてから、農作物を育てることの楽しさを実感しました。苦心して育てた農作物が実ったときは、心からの幸せを感じます。そのような「農」のある暮らしの喜びを、農業に触れたことがない人にも知ってもらうために、CarnaEstは以下の取り組みを行っています。

開催場所：蔵邸「Coeur Riche」（クールリッシュ）
120年前に建てられた蔵をワインカーブとして改装しました。